Irish Music

Fleadh Nua へ

ある日、ロイズン先生のレッスンの後、今日のこれからの予定は?と聞かれました。
何も無いと答えると、エニスという街で音楽祭をやっているから行くと良いわよと言われました。

リマリックからバスに乗ってエニスへ。
先生から、オールド・グランド・ホテルでやっているシンギングクラブのプログラムがお勧めだと言われました。
てっきり誰かのコンサートかと思って部屋に入ったら、年配の男性と女性がリーダーになって、なんとずっと聴きたかった「シャーン・ノス」の歌会が始まったのでした。
椅子に座って集まっていた人たちは、観客ではなく全員が歌い手だったのです。
私は、目立たない端っこに座ってじっと耳をかたむけていました。
皆、思い思いに立ち上がり、ごく自然に歌い始めました。

アカペラで歌うこのスタイルは、歌い手の声の奥にあるものが味になり、独特の節回しが心地よく、おまけに生活に根付いているので気取った感じが無く、素晴らしい時間に居合わせる事が出来て幸せでした。
♪ラグラン・ロードをゲール語で、♪ウォーター・イズ・ワイドを英語で歌った赤いワンピースを着た10代の女の子が歌った歌が印象に残りました。
外の広場では、アイリッシュダンスのコンテストをやっていました。
3歳〜10歳位までの男の子や女の子が衣装を着て踊っていました。
初めて生で見たので、写真を撮ろうとカメラを構えましたが、人垣がすごくて思う様にいきませんでした。
そんな私を見ていた隣の男性が、さりげなく場所を譲ってくれました。
通りでは5歳くらいの男の子がおもちゃのアコーディオンを持って立っていました。
大人のミュージシャンの真似をしているのでしょうか、足下のバケツの中のコインをしきりに気にしていた様子が可笑しかったです。

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奈加靖子 アイルランド ソングブック 緑の国の物語

奈加靖子
緑の国の物語
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